精密水準器をΦ300ほどの丸物に載せて測定する際、V溝ベースの水準器をそのまま使用しているシーンをよく見かけます。
しかし、ちょっと待ってください。
V溝は本来、V面にしっかり丸物が接触する前提で設計されています。
Φ300クラスの大きな丸物では、実際にはV溝の「最下端エッジ」にしか接触していないケースが多いのです。
本来こういった大径ワークには、各水準器メーカーが提供している「専用の鞍」を使うのが理想。でも現場では、一般的なV溝ベースがそのまま使われていることも少なくありません。
「それで問題ないの?」
と思われるかもしれませんが、適切に扱えば、測定結果に大きな影響はありません。
水準器は180度反転測定することで、ゼロ点のズレと正確な傾きの両方が算出できます。つまり、V溝の最下端エッジでも、反転測定すれば実用上は十分な精度が得られるのです。
それなら最初から、その接触位置でゼロ調整しておけばいいのでは?
——その通りです。
もちろん「点接触」なのでゼロ点の長期安定性には限界がありますが、実用には問題ないレベルといえるでしょう。
ここでおすすめしたいのが、LevelManの無償アプリ。
このアプリには「セルフゼロ」機能が搭載されており、誰でも簡単に高精度なゼロ調整が可能です。
デジタル水準器ならではの手軽さと正確さ、ぜひ体感してください。
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次回予告:
「無線のBluetoothは切れやすい。対策は?」をお話します。
弊社のLevelManもBluetoothです。